👑 聖婚の刻印 ―永遠の契りは交わされる―リリス編

第1章 出会いと揺さぶり 

第1話:紅茶と微笑

4人のサキュバスとの出会いから、少し時が経った。
いまだ、この世界が夢なのか現実なのかも分からぬまま、館に留まっている。
最初は戸惑いもあったが――今は違う。
俺は長女リリスの気高く時に優しい彼女に心を奪われ始めていた。

館のサロン。
薔薇の香りが漂い、午後の光がカーテン越しに淡く揺れていた。
紅茶の蒸気が静かに立ちのぼり、
銀のティーセットが光を反射して微かにきらめく。

テーブル越しに座るリリスは、
いつものように気高く、そしてどこか楽しげな表情を浮かべている。
白い指先がティーポットを持ち上げ、
なめらかな動作で琥珀色の液体をカップへと注いだ。

リリス
:「そなたも味わってみよ。わらわ自慢の一杯じゃ


その言葉には、ほんの少しの誇らしさと、
“褒めてほしい”という可愛らしさが混ざっていた。

金縁のカップを差し出す仕草は、
堂々とした女王のそれでありながら、
どこか甘やかで、恋人を誘うような柔らかさを帯びている。
俺はその美しい手の動きに目を奪われていた。

受け取ったカップをそっと唇に運ぶ。
温かな香りがふわりと広がり、
薔薇と茶葉が混じり合った上品な香気が鼻をくすぐる。

その味は、彼女の印象そのものだった。
気高く、濃密で、そしてどこか甘い。

……香りが深い。リリス、すごいな』

褒め言葉を口にした瞬間、
リリスはわずかに目を細め、満足げな笑みを浮かべた。

リリス (満足げに):「ふふ、当然じゃ


いつも通りの高慢な口ぶり。
けれど、その声音の奥には柔らかい照れがあった。

光に照らされた紅茶の表面が、彼女の深紅の瞳と同じ色に輝いて見えた。

ふと、カップを置いた瞬間だった。
ティーカップの縁越しに、二人の視線がぶつかる。

一瞬の沈黙。
そのわずかな間に、空気が変わった。
いつもの軽口も、皮肉も、何も出てこない。

……どうしてだろう、こんなにも心臓が速い

リリスもまた、小さく息を呑んでいた。
頬に朱を差しながら、それでも視線を逸らさず、
ほんの少し唇を震わせる。

リリス (小声で):
……だが、そなたの笑顔の方が……もっと美味であろうな


その言葉に、胸が静かに波打った。
ただの挨拶、ただの会話――
そう言い聞かせても、胸の鼓動は止まらない。

カーテンが風に揺れ、
薔薇の香りとともに、紅茶の蒸気が二人の間を満たしていった。

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